リングは彼女に


 十五分程して、彼女が戻ってきた。その後も食事を進め、いい具合に頭の中で考えがまとまってきた。


 そろそろ自分の想いを伝えなければならない。話もうまく弾んできたので、例の話を切り出そうと思った。




 しかし、その矢先、それは起こった。全く予期していなかった事だ。





「……」

 突然、由美が押し黙ってしまった。なんだか難しい顔をしている。

「どうした?」


「あのさ、私たち」


「うん?」



「もう終わりにしない?」



「え?」


 最初は何を言われたのか、よく理解できなかった。


 終わりにするって、一体何を?



「だ、か、ら、ね――私たち、別れましょう」由美は、よく理解していない俺にゆっくりと言った




「……」
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