リングは彼女に


「いてぇえ!」途端、お尻に刺すような痛みを感じた。振り返り見てみると、本当に刺さっていた。ダーツが。


「あは、はははは!」理那は腹を抱えて笑っている。彼女が尻を標的にしてダーツを放ったようだ。


 俺はそっとダーツをお尻から引き抜いた。


「痛いじゃないですか!」

 当然怒る。



「はは、はふ……」彼女は余りにも笑いすぎたためか、むせていた。


「ごほっ、ごほ。うん。いやー、まさか本当に刺さっちゃうとは、思わなかったから……はは」


「本当に痛いから! そういう事はしないでくれよ。もう」俺は辺りの客には悟られないように尻をさすった。


 それから、彼女の行動に呆れてしまった。
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