リングは彼女に

『皆さんこんにちは。そうでなければ、こんばんは。幹事の長谷川です。例年通り、今年も同窓会を開催しようと思います。場所もいつも通りです。せっかくですので忘年会も兼ねて、皆さんで歌い、踊り、酒を酌み交わそうではありませんか。詳細な日時は次の通りです。なにか問題がある方は随時長谷川の方までご連絡ください。なお、遅刻は厳禁です』


 忘れていた。


 毎年この時期になると高校の同窓会があるのだ。それにしても、なんでこんなに忙しい時期に同窓会を開くのかが分からない。


 しかもクリスマス前だ。あまりに空気が読めていない。


 師匠も走り回る忙しさ、師走。それなのに、毎回とても出席率の良いイベントだ。


 みんな暇なのだろうか? 日付を見ると、十二月二十三日。明後日だ。


「同窓会か……」思わず呟くと、理那が反応した。
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