リングは彼女に

懐かしの面々


 大人数でぞろぞろと居酒屋に入る。


 やはり出席率が良い。ざっと見ただけで三十人以上はいる。がやがやと移動中に騒がしいのはあの時代から変わらない。


 だが、こう見回してみると、皆どこかしら老けたように見える。


 格好だけ若いのもいるが、どんなに化粧をしたって、同級生はごまかせない。


 団体客用の宴会場に入る。広さは四十畳ほどあり、人数のわりには少し広いように感じる。左右に長テーブルが設置され、その上にはすでに食事が並べられていた。


 寿司や刺身、ラーメンサラダにちゃんこ鍋など統一性がない。皆適当に自分の座る場所を決め、次々と腰を下ろす。


 俺はテーブルの一番端にあぐらをかいて座った。隣に田渕が座る。



 幹事の長谷川が立ち上がって、せかせかと喋りだした。
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