リングは彼女に


「ええー、今回もこのような大変忙しい時期に多数の出席たいへんありがとうございます。今年もそろそろ終わりに近づいております。この寒空の下、毎日が大変だとは存じますが今日は……」


「さっさとはじめろー」誰かが野次を飛ばした。


「申し訳ない。では乾杯!」


 長谷川が高々とコップを掲げると、それに合わせて乾杯の大合唱。


 ビールジョッキがぶつかり合う無骨な音が響く。


 ちなみに長谷川のコップの中はコーラだ、酒を酌み交わしましょうという割には、自分は酒が飲めないらしい。
< 124 / 228 >

この作品をシェア

pagetop