リングは彼女に
ふざけるな
ふざけるな。
そう、俺はそう思ったのだ。意味の分からない別れの理由に、心底不愉快だと感じた。
確かに、俺は恋愛に対して保守的な男なのかもしれない。マニュアル通りというのは、あながち間違ってはいない。
由美と付き合い始めてからは、映画に行ったり、食事をしたり、ショッピングをしたり。いわゆるデートの王道。
彼女にとって、それは一般的なことばかりなのだろう。悪く言えば、平凡だ。
それらの付き合いの中には、確かに刺激は無いに等しい。
しかし、だからといって、刺激的なことって、一体なんなのだろうか?
一般的ではないこと?
由美はそれを求めているのだろうか、どちらにせよ、彼女が刺激的な恋愛というものを求めているならば、この先俺とはうまくいかないのかもしれない。
それでも、突然の別れには、やはり納得できないものがある。