リングは彼女に
告白作戦
作戦会議から二日後。
いつもより早く登校した俺達は教室で吉田さんの机の前に立っていた。
田渕がカバンからプレゼント用に梱包された箱を取り出す。梱包したのは、実は俺だけど。
「おい、ほんとにいいのか? 一歩間違えたら、逆に嫌われることになるぞ」
そんな俺の忠告を無視するように、田渕はのっそりとした動作で机に箱を入れる。
「大丈夫だとは、俺も思わない。だけど、俺は不器用だから、こういう風にしか思いを伝えられない」
田渕が机から手を引き抜く、その時教室のドアがガラッと開いた。
瞬間、俺と田渕は硬直した。そっと入り口に視線を向ける。