リングは彼女に


「成瀬、もう用は済んだから部活に行こう。早く行かないと遅れちまう」


「そうだな。それに、すぐ結果が分かるわけじゃないし」俺は同意した。


「ああ、早くて明日にでも、答えを聞かせて欲しいな」田渕はまた頬を赤らめている。
 長谷川は相変わらず文庫本のページをめくっていた。



 こいつって、意外と女にだらしないのかもしれないな……教室を出る時、そう思った。
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