リングは彼女に
「いいかい、理那が愛だと思った瞬間。それは愛になる。愛を感じたことがなくても、これからそう思える時が、きっと来るよ」
「そう……」理那は一度俯いてから、顔を上げた。
「変なこと聞くようだけど、和人くんは私の事をどう思っているの?」理那は真剣な眼差しで俺を見据える。
「どう思ってるって?」
「こうやって突然住み込んで、一杯迷惑かけてるでしょ? そういう我儘な私を、どう思っているの?」
今までの事を反芻しながら、頭の中を整理して答えた。
「理那といたら楽しいし、退屈しない。今までにない色んな体験が出来るしさ。それが良いことでも悪いことでも……とにかく楽しいんだ。第一、嫌いだったら、一緒に生活なんかしないよ」彼女の目を見ながら答えた。
「本当に?」
「ああ、本当だ」
「うん。ありがとう。なんか、ごめん」彼女は申し訳なさそうな顔をした。
「いや、大丈夫」俺はベッドに腰掛けた。
一瞬沈黙が流れた。息苦しくなったのか、理那が口を開いた。