リングは彼女に
「付き合っている方に贈るクリスマスプレゼントですね? それでしたら……こちらはいかがでしょうか?」
店員はすぐ左にある棚から金色に光る豚の貯金箱を取り出した。「意外かと思われるかもしれませんけど、なかなかいいと思いますよ」丁度手の平に収まるくらいの昔ながらのデザインの貯金箱である。
「うーん。どうですかね……」なんとなく、この貯金箱も理那が喜びそうに無い気がする。『貯めるお金ないよ!』とか言われそうだ。
「他には何かないですか?」店員に尋ねた。
彼女は少し悩んでから口を開いた。
「その方はどのような性格ですか? 軽く、イメージでも結構ですので……それを参考にして選ばせて頂きます」