リングは彼女に


 でも考えてみると、理那は普通のプレゼントじゃ喜ばないような気がするし、こういう一風変わった物の方が喜んでくれるかもしれない。


 だけど、びっくり箱という商品の性質上、相手を驚かせるものだから、理那が驚いた時の事を考えておかねばならない。


 理那がびっくりしたら、間違いなく怒り出して殴り倒されそうな気がする。だったら、お茶目に謝るために、この鼻眼鏡も必要かな。



 気休めにしかならない気がするけど……



「わかりました。それ二つセットで買いましょう」

「本当ですか? ありがとうございます!」店員は嬉しそうに微笑んで、ペコリと頭を下げた。

「いえいえ、こちらこそありがとうございます。その商品のラッピングお願いしていいですか?」


「はい! それではレジの方でよろしくお願いします」


 店員はすぐさま商品を手に取った。それから二人でレジの方へと向かう。
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