リングは彼女に
理那からの着信
「もしもし」
「あ? 和人くん? 私だけど、今どこ?」
「今自然公園だよ。理那はどの辺にいる? まだベンチに座ってる……とか?」
「いやぁ……大変言いづらいんですけど……」そう言って理那は口ごもる。なんだか嫌な予感がした。だから俺はすぐに口を開いた。「今どこ?」
数秒の間を置いてから理那は言った。
「実は寒くなってきてお腹が空いたから、レストランに来てるんだよね……和人くんもこれから一緒に食べない?」
「はぁ?」
俺は思わずそう言ってしまった。それから言葉を付け足した。