リングは彼女に


「だめ。目を見ていられない……ごめん」


 俺は理那の両肩を掴み、こちらを振り向かせた。理那は驚いて、身をすくめた。少ししてから、彼女に言った。


「はっきり言って欲しい。お願いだ」


 今度は俺が理那の目を覗き込む。


「感情というのか……あなたに対する考え方が、変わった……」


 俺は黙って理那の言葉に耳を傾けた。


「あなたが、とても大切に思えてきたの……この気持ちが、好きっていう感情なのか、何なのか、私にも良く分からない……でも、あなたと同じで、離れたくない」



 それを聞いた途端、俺は急に理那を愛しく思えた。
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