リングは彼女に


「マスター。もうひとつグラッド・アイをお願い」


 理那が注文すると、バーテンダーは静かに頷いた。


「そうだ、理那。プレゼントを渡さないといけないね」


 俺は足元に置いておいた紙袋の中から、まずは鼻眼鏡を取り出した。それからそれを掛ける。


「な、なにそれ? これから一人コントでも始める気?」


 理那はころころと笑った。


 俺は続いて紙袋から例のプレゼントの入った包みを取り出す。


「メリークリスマス。それと、誕生日おめでとう。はいどうぞ」包みを理那に手渡す。



「わあ、何が入ってるの?」


 理那は包みを開けた。


「あ、オルゴールでしょ! いいね」


 それから、フタを開けた。
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