リングは彼女に
しばらく飲んだ後、トイレに行くことにした。バーテンダーに位置を聞いて、席を立った。
用を済ませた後、洗面台の前に立ち、水で念入りに手を洗った。
自分の中のむしゃくしゃしているものも、全て洗い流れてしまえばいいのに……
その間、鏡に映る自分は見ないように注意する。
きっと酷い顔をしているだろうと簡単に予想がついたので、そんな自分を直視したくは無かったのだ。
手をハンカチで拭いている時、急に吐き気を覚えた。便器に戻って吐こうとしたが、だらだらとよだれが垂れるばかりで何も出てこない。