リングは彼女に

グラッド・アイ



 こんな状態で俺はこれからどうしたらいいのだろう?


 心のよりどころを無くしてしまって、まるで巣から落ちた雛鳥のようだ。きっと、もう暖かいところへは戻れないだろう。


 そこまで考えると、逆に気が楽になった。


 よし、今日はとことん飲んでやる。


 このカクテルメニューを一番上から一番下まで、全て飲み尽くしてやる。まずは一番上、さっき飲んだけど、グラッド・アイからだ。



「グラッド・アイお願いします」

「かしこまりました」その頃にはバーテンダーは、最小限の返事しかしない様になっていた。

 先程と同じく、すぐにカクテルは出された。グラスを口につける。
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