リングは彼女に
第3章

リナ



 理那は、自分でも言っていたが、確かにかわいい。魅力的な女性であった。


細身で身長は高め、顔のパーツは整っていて、目は大きく、二重。


一見大人しそうなのだが、話してみると、この調子だ。


年齢は、何歳なのだろうか? 見た感じでは二十歳中頃に見える。多分年下だと思う。


「それで、和人くん。何があったのかお姉さんに話してみなさい」

「何があったか……」

 俺は、さっき起こった事を反芻してみた。


 簡単にまとめてみると、プロポーズしようと思い立ち、デートして、振られて、泣いた。


 用意していた指輪も渡せなくて、無駄に終わった。


 相当痛い話だ。


 かっこ悪い。


「彼女に振られたんです。プロポーズしようと思っていたんですけど、それも出来ずに終わっちゃいました」極めて端的に説明した。
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