リングは彼女に
理那の歌が三曲目に突入した頃、若い男の店員が注文したものを部屋に持ってきてくれた。出来立ての料理、まだ湯気が立っている。とても美味しそうだ。
「理那さん、ちょっと休憩して飯でも食べましょうよ」
俺がそう提案すると、理那は「そうね、私もお腹空いてきたかも」と言い、お腹をさするような仕草を見せた。
かかっていた曲を中断させ、運ばれてきたメニューに手をつける。
「和人くん。ピラフとチャーハンっていうのも、また微妙な組み合わせね……」
「そうですかね?」
「そうですかねって、どっちも御飯ものじゃない! 別に私はお腹がいっぱいになればいいんだけどさ」
なんだかんだ言いながらピラフを頬張る理那はまんざらでもないといった様子だ。