リングは彼女に
「それにしても、刺激がないってか、ということは、和人くん、君は結構奥手なタイプだね?」そう言いながら人差し指を俺のおでこに突きつける。
「うーん。そうですかね。自分ではよく分かりませんが……」
「だから他人から見るとよく分かるんだよ。だって、さっきから相槌ばっかりじゃない。あなたは典型的なイエスマンタイプ。もっと自分の殻を破って、変わっていかないと人生駄目になっちゃうよ」
「そんなもんですかね」
「そうだよ、私の言うことは絶対間違ってないから」
理那はテーブルの上のリモコンを取り、俺の手に握らせた。