リングは彼女に
詳しい内容はこうだ。
理那は仕事をしていないせいもあり、彼氏の家に居座っていたのだが、その彼氏には振られてしまった。
関係の終わってしまった人の家に帰るのは、やはり無理らしく、俺と別れてからは夜が明けるまで、どこかで時間を潰そうと考えていたらしい。
だが、少し考えた末の結論として、俺の家に泊まれば無事に朝を迎えられるのでないかと思い、別れた後、すぐにもと来た道を引き返し、俺の後を付けていたそうだ。
「ほんと悪いんだけど、和人くんの家に泊めてくれないかな」
理那は拝むように両手を合わせていた。