リングは彼女に


「ほんと馬鹿だね、君は。そういうことをしたいんなら、風俗にでも行ったらいいじゃない」


 それを聞いて赤くなってしまった。そして恥ずかしさのあまり、俯いてしまう。悪いことをして廊下に立たされた小学生みたいに、とっても後ろめたい。


「でもね、そういう積極的なのも好きかもしれない」理那は笑いながら布団を被った。


「そんな落ち込む必要はないと思うよ。でも、初めて会ったその日にそういう事はしない方がいいかもね。ほら、ベッドはもうひとつあるんだから、そっちで寝てね」それきり理那は口を噤んだ。


 なんとなく気まずい雰囲気となってしまったが、自分からこんな事をしたのは初めてだった。


 もしかしたら、彼女との出会いは自分を変えるきっかけとなるのかもしれない。
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