リングは彼女に


「それにしても、もう半月もすればクリスマスだな。また今年もうちのかみさんと子どもにクリスマスプレゼントを買ってやらないといかん。全く、親っていう立場になってからは頭が痛くなるようなイベントばかりだ。お正月のお年玉に、節分、俺は鬼役だし、豆は痛いし…… ひな祭りは雛人形買わないといけないだろ? それに子どもの日。誕生日とかもあるし、年末はクリスマスだ。サンタさんが本当に来てくれたらいいのにな」


「サンタクロースですか……大塚さんは子どもの時、サンタクロースって信じていましたか?」


「なに? サンタさんか、ああ、子どもの頃は信じていたな。だが、世界中の子どもたちにプレゼントを配っているんだから、もの凄い金持ちで、物好きなやつなんだろうなって思ってたよ。そういう成瀬は信じてたのかい?」


「ええ、信じてましたよ。毎年プレゼントも置いてありましたし。存在を疑うことすらしなかったですね」


 大塚さんは大袈裟に「ほおー珍しい」と言って、頷いた。
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