リングは彼女に
携帯電話
その時、不意に理那の事を思い出した。
財布から連絡先の書かれた紙を取り出す。
そして、携帯にメモリーした。ふと、電話をしたい衝動にかられる。俺はその衝動に従って携帯電話のボタンを押した。
しばらく待つと、呼び出し音が聞こえる。
それが耳に響くたびに電話を切ってしまおうかと躊躇してしまう。そして、胸が高鳴る。
五回ほどのコールで、電話が繋がった。と思った途端、受話器の向こうから理那の声が聞こえた。