◇ 私の彼氏 。
── ガチャ
「愛美ー、入るよ?」
私は6階まで階段を駆け上がり、息を切らしながらこの街で1人暮らしをする愛美(えみ)の家に入った。
階段を駆け上がるのは、私の変な癖。
「璃玖、遅いって」
「ごめんね〜」
「愛美っ、りぃが遅いのはいつもの事♪」
なんて言いながら玄関前のトイレから顔を出したのは、只今愛美ん家に居候気味の茉悠(まゆ)。
「あ、そっか」
「そっかじゃねーし♪
んで、2人供お出掛けですか?」
いつもより心無しか、化粧に気合いが入る2人に声をかける。
私はと言うと、バイトが終わって急いで来たためノーメイクで登場。
「昨日話したじゃん?男が3人来てたって」
そんな私の質問に、髪の毛を丁寧にアイロンかけながら茉悠が答える。
「あー何か言ってたね」
私が睡魔と戦いながらの電話の時か。
「そいつらが今からまた来るって♪」
げ‥
まじか。