◇ 私の彼氏 。
“3、2、1、‥‥カシャッ”
プリクラの音声と共に放たれる眩しいフラッシュ。
ホント、プリクラは凄いと思う。
「ほーら。やっぱ今日は詐欺れたね」
落書きスペースに移動し、さっき撮影したプリクラを見た咲穂が自信あり気に呟く。
「お前詐欺りすぎ」
プリクラの中の咲穂は別人だ。
「それって褒め言葉?」
そんな言葉を言い放つ咲穂にホント呆れる。
私はというと、咲穂を無視して落書きに取り掛かる。
ん〜
何て書こうかな?
そんな時ふと思い浮かぶのはかなたんの顔。
「いひひ」
不気味な笑いを浮かべながら私はスラスラと落書きをする。
「ん?」
そんな私を不思議そうに見た咲穂はすぐにニヤけ
「帰ったら速攻奏多くんに見せなきゃね」
って一言。
私はかなたんの反応を楽しみにしながら帰路についた。