◇ 私の彼氏 。
「ただいま〜」
「おかえり♪」
家に着くと、"仕事"に行っていた茉悠と愛美の姿。
「2人とも帰ってたんだ」
「うちらもさっき帰ってきたとこ♪」
玄関から直通のリビングに顔を出すとかなたんと目が合う。
「かなたん寝過ぎ♪」
「ごめんねっ」
焦った様子のかなたんはなんだか可愛かった。
あ、そうだ‥プリクラ
ふと先程撮ったプリクラの存在を思い出し、ベッドの上に座るかなたんの隣に腰かける。
「かなたん、見て♪」
「‥っ‥はは」
その落書きを見たかなたん、思わず照れ笑い。
「ん?璃玖たちプリクラ撮ったの?」
そんなかなたんの様子を見た愛美がプリクラを覗き込む。
そして一言。
「璃玖、告白か?」
「告白かな?」
笑いながらおちゃらけて照れ隠し。
「かなたん、愛してんよ‥じゃねーしっ!」
「正直な気持ちだし〜」
大体ちゃんと“笑”ってつけてるし。
「ありがとう」
なんて照れるかなたんのこれが、まさか演技だったなんて知るのはまだ先の話。