◇ 私の彼氏 。

「よ」


「‥おう」



そんな茉悠に蓮が挨拶したんだけど‥

なんかそっけない ?



「奏多のやつ、いつまで寝るつもりだよ」



蓮はそんな茉悠の様子に気付かずこんな騒がしい中寝ているかなたんに目を向けた。



「ははっ。かなたん相当寝起き悪いよね」



私は昨日咲穂と3人でいる時に、かなたんの親から電話が掛かって来た時の事を思い出した。


かなたんはその時爆睡してて電話の着信音で目覚めたんだけど、電話の相手の親にぶちギレてた。


あんなかなたんを見たのが初めてだった私は相当ビックリしたっけ。



「りぃも奏多の寝起きに遭遇した?」


「うん。親にぶちギレてた」


「なるほど。でも何だかんだあいつんちは仲良いからな」



海に行った時にかなたんは、母子家庭だと言ってた。

何だかんだお母さんを大事にしてるのかな?



「さて。奏多を起こすか」



私がそんな事を考えていると、あろうことか蓮はかなたんに飛び乗った。



はっ?
かなたんぶちギレないの?



「った‥‥‥何?」



私が不安気にその様子を見ていると案の定飛び乗られたかなたんは不機嫌だ。



「奏多、斗真連れてきたよ」


「んぁ?斗真?」



眠そうなかなたんは目を擦りながら蓮の指の先を辿って斗真くんを見た。



「よ、奏多」


「おぉ、斗真」



‥‥‥‥‥素っ気ない挨拶だな。



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