◇ 私の彼氏 。
「蓮ー。誰がうざいって?」
そこで私は、蓮に火を着けたタバコを近付ける。
「嘘嘘。ごめんなさい」
「よろしい」
そこで満足。
「りぃは“コレ”してないの?」
私と蓮が一息ついた頃、奏多くんが口を開く。
通称かなたん。
まぁ、奏多くんの名前を聞いた私が勝手に名付けたんだけど。
「りぃはそういうの絶対しない」
かなたんの質問に伏せ目がちに答える。
「そうなんだ。俺りぃもしてるのかと思ってた」
援助交際‥
私は体を売ってセックスをする‥ということにどうしても抵抗があった。
別に偏見とかがある訳ではない。
まぁ偏見があったら愛美とは関わってないだろう。
でも、自分の体に値段を付けられてる様でそれだけは受け付けないのだ。
確かに、楽に金が稼げるのは確かだ。
実際に私の1ヶ月分の給料を、愛美は1日で稼ぐ。
だけど、単なるお小遣い稼ぎで援交なんて手を出すもんじゃないと思う。
茉悠がいい例だ。
愛美は、親に捨てられてそれしか生きていく道がないのがわかる。
15、16の子供が親なしで生きていくなんて、そんな方法しかないだろう。
けど茉悠は違う。
只のお小遣い稼ぎ。
茉悠がそれをする理由を、茉悠自身は学費の為とかお姉ちゃんの出産費用‥とか言ってるけど殆んど、てか全て自分の為に使っているのが事実。
援交は金は稼げるが、その分リスクは高い。
性病にかかる危険も高いし、出会い系サイトで知り合った女子高生が殺される‥なんて事件も最近増えている。
いつも死と隣り合わせなのだ。
だから、決して援交なんてするもんじゃないのに。
私は出来れば愛美にも辞めて、普通の仕事がしてほしい。
だけど、愛美にはそれしかないから。