さくらんぼ


「お、おはよ」

私は、なぜだか体が火のように熱くなって、気が動転しそうになった。

すると、藤田くんはにこっと笑って、また向こうを向いてしまった。

「ちょっと~、優菜~~??」

咲に顔の前で手をふられ、やっとこっちの世界に戻ってきた。

「咲、わ、私・・・・」

耳まで真っ赤になった顔を手のひらでかくしながら、よくまわらない舌を動かす。

「あ、挨拶・・・されちゃった・・・。」

< 30 / 68 >

この作品をシェア

pagetop