さくらんぼ
夕方の暖かいオレンジ色の光が、廊下の窓から差し込む。
オレンジ色にライトアップされた廊下を、私は一人で昇降口に向かって歩いていく。
もうどうせ部活に出ない予定なので、このまま帰るだけだ。
放課後の部活の音が、色とりどりに混じって、なっている。
ぼーっと、何も考えずに歩いていると、向こうから誰かが走ってきた。
誰だろう。
そのまま歩いていると、背の高くて、格好いい男の人だとわかった。
藤田くんだった。