さくらんぼ
誰もいない本棚の裏にある小さなイスに二人座って、咲はゆっくりと話し始めた。
その内容は、こんな感じだった。
咲と岡崎さんは、小学校に入学した時から大の親友だったらしい。
岡崎さんは、咲に一番最初に話しかけた。
それから、二人は6年間ずっと同じクラスだった。
ずっとずっと、一番の親友だった。
けれど、二人が6年生のとき、事件は起こった。
岡崎さんが、咲にはじめて、恋の相談をした。
5年生のときから初めて同じクラスになった、藤田淳の事が好き。
それを聞いて、咲は協力すると言った。
しかし、咲は岡崎さんに協力する気でいたのに、藤田くんとの仲が深まった。
恋の関係ではなかったけど、お互い信頼できる仲だった。
仲良しになって、ある日藤田くんと一緒に登校した。
それを見た岡崎さんは、咲に裏切られたと勘違いし、徹底的にいじめを開始した。
クラスの人たちみんなを説得し、咲をリンチに追い込んだ。
咲は不登校になったりして、岡崎さんとは絶交した。
それから中学校に入り、3年間ずっと二人はお互いに拒み続けた。