さくらんぼ


二人は、どちらも真面目な顔をして話をしていた。

いったい何の話をしているのかな。

気になったけど、あまり見ないようにした。

「優菜ちゃん!」

元気のいい、高い声が聞こえたと思ったら、そこには岡崎さんが登場した。

「優菜ちゃん、ちょっと・・・。」

にこっと可愛いリカちゃん人形みたいに微笑んで、私の手を少し強く握って、教室から連れ出された。

少し戸惑って、後ろを見ると、もう咲は掃除に行ったみたいで、いなかった。

少し怖かった。
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