さくらんぼ


「私だって・・・好きだもん・・・・」

思わず、喉から出た言葉。

たまらなくなって、一人残されたトイレから出た。

涙がこぼれそうだった。

でも、我慢。

こんな事で泣いちゃ、ダメ。

強くならなきゃ・・・。

自分に言い聞かせた。

教室に戻ると、もうほとんど掃除が終わっていた。

少し、申し訳ない気持ちになりながら、残りの掃除を手伝う。

その時も、ずっとずっと、ほうきで床をはいている藤田くんを気にしていた。

別に、気にする理由なんて無いのかもしれないけど。

でも、気にしてた。
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