恋迷路〜マイゴノコイゴコロ〜
…でも、モデルの舞花にかなうわけなんてない。
それに…
生まれたころからずっと好きだったっていう智晴先輩の想いは、そんなに弱いモノじゃないはずだ。
「はぁ…」
一人中庭でため息をついた瞬間、誰かに肩を叩かれた。
「きゃあ!?」
びっくりして声を上げる。
「っごめん!驚かせちゃった?」
そこには…
優介先輩の姿があった。
「優介先輩?お久しぶりです。」
ぺこりとあいさつすると、先輩は軽く微笑みながら久しぶり、そう言った。
「…柚杞ちゃんはよく…ここにいるね。」
微笑みを浮かべたまま、優介先輩はつぶやくように私に尋ねた。
「あ…はい。なんだか落ち着くので、好きです。」
私が考えながら答えると、優介先輩は真っすぐな視線で私をとらえた。
「…それだけ?」