恋迷路〜マイゴノコイゴコロ〜
「…え?」
「…ごめん、なんでもない。気にしないで。」
優介先輩は相変わらずの微笑みで私に笑いかけた。
だけど…
優介先輩の微笑みは、いつもと少し違う気がして…。
「いい場所だね、ここ。」
私が黙っていると、優介先輩は中庭の真ん中にある桜の木にもたれながら言った。
…優介先輩には、
どこか、智晴先輩に似た雰囲気が漂っている気がした。
二人とも見かけは全然違う。
智晴先輩は冷たそうで、人を近づけないような、そんな印象。
優介先輩は、優しそうで人懐っこそうな、そんな印象。
だけど、二人はどこか似ている。
瞬間的に、そう思った。