恋迷路〜マイゴノコイゴコロ〜
どんよりと曇った空のした、私は一人、桜の木のしたでため息をついた。
どうしても、授業を受ける気が起こらなかった。
…それに、授業を受けても上の空で先生に叱られるのがオチだ。
葉っぱもない、寂しげな木が、どこか自分に似ている気がして、私は桜の木の幹をそっと撫でる。
「君も、寂しい?」
桜の木の代わりに、肌を刺すような冷たい風が音を立てて吹き付ける。
「…って、私はなにをやってんだろ。」
一人呟いて、私はベンチに座りなおした。
そのうち、寒さにも負けない強烈な睡魔が襲ってきた。
…そういえば、昨日はほとんど眠れなかったんだった。
そんな考えと共に、私は深い眠りについていた──…