恋迷路〜マイゴノコイゴコロ〜
「だけどっ…だけど、私が好きなのは…っ」
私が好きなのは、智晴先輩。
私はどうしても、智晴先輩しか好きになれない。
優介先輩に告げようとした言葉が、優介先輩の胸の中に消えていく。
…私は、優介先輩にキツく抱き締められた。
「優介先輩…」
「…智晴、なんだよなぁ…」
ポツリ、と、私が言い掛けた言葉が呟かれた。
「柚杞ちゃんが好きなのは、智晴なんでしょ?」
…優介先輩の声が、震えていた。
ぎゅうっと抱き締められた肩に、震えが伝わる。
「優介先輩…。」
「ごめん…最後に…少しだけ、こうさせて…。」