恋迷路〜マイゴノコイゴコロ〜
「…柚杞ちゃん、ありがとう。…ごめんね。」
しばらくして、優介先輩は私を解放すると同時に微笑んで私にそう言った。
「優介先輩…」
私が優介先輩の名前を呼ぶと、先輩はいつもと同じように微笑んで、私の頭を撫でた。
「俺は大丈夫。ちゃんとふってくれてありがとう…。」
「…ふってくれてありがとう、なんて言う人、優介先輩以外にいませんよ…。」
「…そうかも。でも、それが柚杞ちゃんの優しさでしょ?」
「…え?」
「だって…俺をいくらでも利用できたのに。柚杞ちゃんは俺を利用したって言ったけど、もっともっと利用できたハズでしょ?」
空を見上げながら、優介先輩は言う。