恋迷路〜マイゴノコイゴコロ〜




「聞いて〜!朝から藤堂先輩見ちゃった♪今日は頑張れそう!」

「いいなぁ〜私も見たかった!かっこいいよね〜♪」




チクン。
朝、教室に入るとクラスメイトの話が耳に入った。
…やっぱり、智晴先輩の名前を聞くと、どうしても胸が痛くなってしまう。




「柚杞!おはよ。」

ぽんと肩を叩かれて、私は我に返った。



「…ゆかちん。おはよう!」



あれから。
みんな、何も聞かずにいてくれている。
あれだけの大事になっちゃったんだから、みんな何かがあったのは分かるはずだ。
それなのに、何も聞かずにいてくれるみんなに、私はすごく嬉しかった。



…でも。
きっと、みんなに黙っておくのは絶対によくないよね。








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