恋迷路〜マイゴノコイゴコロ〜
「智晴先輩、キャラ変わりすぎですよ。」
私が非難めいた口調で言うと、智晴先輩は恐ろしいくらいの笑顔で私を見る。
「柚杞が変えたんだから、責任とって。あ、安心して?キャラ変わるの、柚杞の前でだけだから。」
…真剣に、恐ろしい。
「あ、智晴先輩。一つ聞きたいんですけど。」
ずっと疑問に思っていたこと。
「いつ頃から、私と優介先輩がいるって気づいたんですか?」
私が尋ねると、あぁ、と智晴先輩は思い出したように言う。
「高科が、俺の話聞いて声あげそうになってた時ぐらい。一瞬、葉っぱが不自然に揺れたから。」
…あなどるべからず、智晴先輩。
葉っぱの揺れで気付くなんて、かなり怖い…。
「…奏多があんなこというから、かなり焦った。」
「…え?」
「…ずっとフッといて、はいじゃあ次、なんて、高科に失礼でしょ?だから…黙っておくつもりだったから。」
「先輩…。」