恋迷路〜マイゴノコイゴコロ〜
「大丈夫だよ。ごめんね、心配かけて。」
私が言うと、美依はふるふると頭を振った。
「次教室移動だよ。行こ!」
ゆかちんが元気づけるように笑ってくれた。
廊下を歩いていると、ヒソヒソと黄色い声を上げる女子の姿が目に入る。
その目線の先を追ってみると、二年生の男の先輩のかたまりが歩いてきた。
…その中で、ひときわ目を引く存在。
なんにもしてないのに、注目を集める人。
…智晴先輩がいた。
見つからないように、私は背の高いゆかちんの後ろに隠れるようにして歩く。
すれ違ったけれど、向こうも結構な人数だから、どうやら気づかれずにすんだみたい。
私はホッと一息ついた。
…その時だった。