恋迷路〜マイゴノコイゴコロ〜
「…やる。」
じろっと私を一瞥したあと、智晴先輩は私の顔の前にずいっと何かを差し出した。
一瞬、状況が飲み込めなくて、私はまばたきをした。
その後、智晴先輩が差し出した物を受け取る。
「…これ、わざわざ買ってくれたんですか?」
差し出された物は…
のど飴。
美依がとっさに言った言葉を聞いて、わざわざ持ってきてくれたんだ…。
『好き』が、また一つ、増えていく。
ダメだって、分かってるのに…。
だって…、
ライバルはあの舞花だよ?
私が太刀打ちできるような人じゃないのに…。