恋迷路〜マイゴノコイゴコロ〜





「…報われないなら、やめちゃえばいいじゃないですか…。」


そんな言葉が、私の口をついてでてきた。



すっかり日が暮れた空を見上げたまま、智晴先輩は言う。


「諦められるなら、とっくに諦めてる。」




きっぱりと言い放った先輩の顔は哀しそうで、切なそうで…
見ている方が、辛くなった。




「先輩っ…」

耐えられない。
私は叫ぶように先輩を呼ぶ。


「先輩…そんな顔、しないで…」



お願い。
そんな顔、しないで。
だって、先輩の今の顔、舞花を好きだって書いてるもん。
舞花しか見えない、そんな顔だもん…




涙でぼやける視界の中で、必死に先輩を見つめ続けた。

少しだけでいい。
先輩の視界の中に、私も写りたいの──…







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