恋迷路〜マイゴノコイゴコロ〜





「なんで、アンタがそんな顔するわけ?」



泣き笑いの表情で、先輩は私に尋ねた。




「…先輩が、好きだから。」


先輩は、また空を見上げる。
そして、言った。



「俺なんかやめときなよ。…報われないだけだから。」





…分かってる。
痛いくらいに、分かってる。
先輩の瞳には、違う人が写ってることくらい、はじめから分かってた。



それでも…
私は先輩を好きになってしまったの…


分かってる…
この想いは
決して届くことのない想いなんだって──…








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