人魚姫 〜 儚くも綺麗な恋


「 これで全部かな? 」

と聞いてきた男の人に


「 …あっ!はい!! 」




拾ったパールを
男の人に手渡した。



「 お客さんに頼まれた
ネックレスぶっ壊しちった(笑) 」

「 あ、そうなんですか… 」

無邪気に笑う彼に
何故か照れてしまう自分がいた。




「 ありがとーね! 」

といい男の人は去っていった。





「 ……あ。 」


立ち上がって去っていく彼に頭を下げると
目に入ったパールが一粒。


「 あの……っ! 」

一粒パールを拾って
振り向くと
もう彼はいなかった。





私は残されたパールを
ブレザーのポケットにいれた。


「 今度会ったとき
渡そう」



そう一言つぶやき
本屋にいき
参考書を買って
家に帰るために
駅にむかって
電車に乗った。



< 16 / 20 >

この作品をシェア

pagetop