人魚姫 〜 儚くも綺麗な恋
「 これで全部かな? 」
と聞いてきた男の人に
「 …あっ!はい!! 」
拾ったパールを
男の人に手渡した。
「 お客さんに頼まれた
ネックレスぶっ壊しちった(笑) 」
「 あ、そうなんですか… 」
無邪気に笑う彼に
何故か照れてしまう自分がいた。
「 ありがとーね! 」
といい男の人は去っていった。
「 ……あ。 」
立ち上がって去っていく彼に頭を下げると
目に入ったパールが一粒。
「 あの……っ! 」
一粒パールを拾って
振り向くと
もう彼はいなかった。
私は残されたパールを
ブレザーのポケットにいれた。
「 今度会ったとき
渡そう」
そう一言つぶやき
本屋にいき
参考書を買って
家に帰るために
駅にむかって
電車に乗った。