人魚姫 〜 儚くも綺麗な恋


妹と弟も着替えて
家族でご飯を食べた。



「 ごちそうさま!
あたし明日朝早いから
もうお風呂入って寝るね!」


といい残して浴室に
むかい服を脱いだ。



乳白色の浴槽に
体を沈める。


湯気が立ち込める浴室は
まるで蜃気楼に
包まれているようだった。




胸下まで伸びた髪が
乳白色の湯に消える



横の壁に付いた鏡に
目を配る。



映るのは自分。





二重の目

小さい鼻

ピンク色の口





全て元カレに
褒められた誇るべきパーツ。



もしこの鏡に映る自分が
自分じゃなかったら




そんな事を考えてしまうのは
蜃気楼の中だからなのか。



程よい所で
浴槽から出て
髪を洗って
体を洗って
顔をあらい
浴室を出た。



洗面所で歯を磨いて
自室に向かった。
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