人魚姫 〜 儚くも綺麗な恋
海の奥深く
「 おはよう 」
自室の前にある階段を
下りて右側の扉を開けて
私は朝の挨拶をする
「 捺乃おはよう 」
ダイニングテーブルを
もう三人が囲っていた
右の奥に 妹の 蜜芽
その隣に 男の 彰矢
妹の真向かいに 父親
席は 父の隣と
ダイニングテーブルの
外側の席
キッチンでは母親が
卵か何かを焼いている
「 彰矢 蜜芽 おはよう
お父さんお母さんおはよう」
そう言って 私は
外側の席に座る
隣には空気だけ。
「 また昨日
夜遅くまで勉強していたでしょう? 」
お母さんが全員分の
おかずを並べ
父の隣に座る
「 あ〜 うん。
テスト近いから… 」
「 あまり 無理は
しないのよ?
無理しなくたって
捺乃は頭いいんだから。」
「 そんな事ないよ、
2学期入ってから
勉強難しいし」
「 でもお姉ちゃん
基本5位以内じゃん 」
「 俺ら結構順位低いから
羨ましいしな。 」
こうゆう会話以外
我が家にはない
親は 私を褒めるだけしかしない
妹達は 私を羨む事しかしない