面倒臭がり屋なトンボ
面倒臭がり屋なトンボ
「疲れたなぁ…。」
田んぼの上をくるくる飛び回るトンボさんたち。
その中の一匹が言いました。


「何でこんなに飛び回らなきゃいけないのさ。」
すると、もう一匹のトンボさんが言いました。


「飛んでるのは気持ちがいいだろう?

それに僕らは飛ばなきゃ何処も行けない。」
確かにそうです。
トンボさんたちはあの透明な羽が無いと好きな所へ移動出来ません。


しかし、飛ぶのが少し面倒臭くなったトンボさんは考えました。
「そうだ!あの人間の背中に止まれば飛ばなくても移動出来るぞ!」


その言葉にびっくりしたもう一匹のトンボさんは一生懸命そのトンボさんを止めようとしました。
「危ないよ。何処に行くかも分からないだろう?

それに見つかったら捕まってしまうかも知れない。」


しかしこのトンボはそんな忠告も耳にいれようとしません。
「大丈夫だよ!じゃあ僕は行くから。

君たちはずっとこの辺をクルクル回っててよ。」
この面倒臭がり屋のトンボは友達の意見も聞かず、それどころか嫌味まで言って、人間の背中に向かって飛び始めました。


< 1 / 6 >

この作品をシェア

pagetop