ROMANCE

「で?見に来るの?こねーの??」

アタシの質問には答えずイラついた口調

アタシは苦笑すると「どうしてそんなこと聞くの?」と言ってピアスを拾う

そのピアスはアタシが失くしたと思ってたピアス

「あ、失くしたと思ってたら、こんなとこにあった」

直也の目の前でユラユラと揺らして「アタシの」と笑いながらピアスを見せる


あれ?

また眉間にしわ寄せてる

「俺の話聞いてんのかよ」

「ねえ、なんで昼から怒ってんの?」

「カンケーねえだろ」

語気を荒げる直也

でも、質問の答えになってないよ?

拾い終わったアクセサリーボックスのふたをしめると両手に乗せた

「関係ないって言ったり、俺の話きけって言ったり、よくわかんない、つきあってられない」

そういって立ち上がろうとすると直也の両手が不意に伸びてきて胸倉をがっしりとつかむとぐいっと引き寄せられた

バランスを崩して直也の方へと傾く体

「ちょっ・・・!」

それでもシャツのえりをつかんだまま離さない直也に、アタシは体勢を立て直すためアクセサリーボックスから手を離して仕方なく直也の肩につかまった

顔がめちゃくちゃ接近して、ぶつかりそうになった所で止める

顔に直也の呼吸を感じるほどの超至近距離

ゆっくりと、怒気を含んだ声で「むかつく」・・・

そうつぶやいた直也が更にアタシの胸倉をつかむ手に力を入れると、簡単に唇が合わさった

目をとじる間もなくて、また散らばったアクセサリーが目の端でちらついた


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