ROMANCE


翌朝、「先に行く」と短いメールが直也から届いた

ちょうどいいや、顔合わせづらいし

たっぷりと何十秒もキスをして、唇が離れると何も言わず帰っていった直也

わけわかんない・・・

ストレス発散のはけ口にされたみたいで自失する

なのに胸の中にちっさく熱がくすぶってそれがチリチリ痛くて、シャツの胸元をぎゅっと握り締める

アタシはその後そこにへたりこんだまましばらく動けなかった


一人で登校するなんて、いつぶり???
直也のお弁当をぶらさげながら歩く

「うーさちゃん」

軽い声がきこえて振り返ると寺野がいた
アタシの周りをささっと見渡すとちょっと驚いた顔で「今日一人?」と聞く

「今日は一人だよ」

アタシの横に並ぶと、手元に目をやった

「秋山の弁当??」

「うん」

「あんな作ってやりがいのない男やめて、俺に作ってよ宇佐ちゃん」

「寺野なら、他に作ってくれる女子がいっぱいいるでしょ?」

「まあね」

鼻のあたまをかきながらあっさり認めた
この顔なら自信たっぷりにもなるか・・・とちょっと呆れた視線を投げる

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